BEYOND AI(人工知能を超えて)~人工生命の可能性~

内容

2012年に人工知能が世間から再び注目されてから、今年で6年が経とうとしている。それまでに過度な期待からか、数多くの幻想が生まれた。しかしSF映画に出てくるような自律性を持ち、言葉の意味を真に理解する、まさに人間のような人工知能を作るには、技術的な壁が多く存在する。

そんな中、知能が宿る脳を参考にするだけでなく、身体を通した経験など生命が持つ学習や進化のアプローチから課題を克服しようとする動きもあり、生命の仕組みと成り立ちを探求する研究分野「人工生命(Artificial Life)」が注目を集めている。

人工知能研究はカナダ・アメリカ、最近では中国が世界をリードしているが、人工生命研究については日本も中心的な位置を占めている。今年7月には1987年から続く人工生命国際会議「ALIFE」が日本で開催されるなど国内外で期待が高まっている。

人工生命の概要や人工生命が社会にもたらす可能性とその影響について、国際会議の実行委員会の中心メンバーであり、人工生命の技術を社会応用する会社を起業したお二人によるプレゼンテーションとモデレーターを交えた対談から初心者向けに解説していただく。

日時

4月27日(金)12:30~14:00

会場

KIITO:2F「STAGE FELLISIMO」

参加

無料

出演者

岡 瑞起(おか みずき)

岡 瑞起(おか みずき)

ウェブサイエンス研究者

筑波大学大学院・准教授、株式会社オルタナティヴ・マシン代表取締役。博士(工学)。高校時代をイタリアのUnited World College of the Adriatic(UWCAD)で過ごす。帰国後、コンピューターサイエンスを学び、東京大学・特任研究員を経て現在、筑波大学大学院・准教授。専門はウェブサイエンス、人工生命。インターネット・ウェブの存在そのものを新しい「自然現象」としてとらえ、その生命体としての構造を明らかにする研究を行う。また、2016年7月に池上高志・青木竜太と「ALife Lab.」を立ち上げ、ALife(人工生命)の研究者と他分野との共創を促進する活動中。

青木 竜太(あおき りゅうた)

青木 竜太(あおき りゅうた)

コンセプトデザイナー、社会彫刻家

株式会社オルタナティヴ・マシン代表取締役、ヴォロシティ株式会社代表取締役社長。
その他「TEDxKids@Chiyoda」設立者兼キュレーターや「Art Hack Day」、「The TEA-ROOM」、「TAICOLAB」、「ALIFE Lab.」の共同設立者兼ディレクターも兼ねる。アートやサイエンス、カルチャー領域で、コンセプトデザイン、クリエイティブディレクション、プロジェクトのプロデュースや事業開発をおこなう。
 
2011年にコミュニティの創出・運営を専門とするデザインファーム「VOLOCITEE Inc.」を起業。同年、未来を作る子どもと子どもの環境を作る大人に価値あるアイデアを届けるために、TEDからライセンスを受け「TEDxKids」プログラムを日本で初めて開催。2014年にアーティストの新たな価値を社会に提案する日本初のアートに特化したハッカソン「Art Hack Day」を立ち上げる。2016年に茶人・裏千家の松村宗亮らと新たな茶の湯のあり方を探求するアート集団「The TEA-ROOM」や野外音楽フェスティバルTAICOCLUBと共に新たな音体験を探求するリサーチプロジェクト「TAICOLAB.」をプロデュース。同年、複雑系科学/ALife研究者の池上高志とウェブサイエンス研究者の岡瑞起と人工生命の理論と人工生命の理論と技術の社会応用方法を探求するコミュニティ「ALIFE Lab.」を設立し、翌年の2017年に同設立メンバで生命の成り立ちと仕組みを応用した次世代人工知能・ロボットソフトウェア開発を行う「Alternative Machine Inc.」を創業。

http://ryutaaoki.jp/

モデレーター:塚田有那(つかだ ありな)

モデレーター:塚田有那(つかだ ありな)

編集者、キュレーター

世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。人々の想像力を拡張し、ビジョンを現実世界に実装していくアート・教育・思考実験のプラットフォーム「一般社団法人Whole Universe」代表(2018年4月登記予定)。サウンドアーティストevalaのプロジェクト「See by Your Ears」のディレクターとして海外展開を推進。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。12年より、東京エレクトロン「solaé art gallery project」のアートキュレーターを務める。編著に『メディア芸術アーカイブス』『インタラクション・デザイン』など、ほか「WIRED」をはじめ編集・執筆歴多数。

http://boundbaw.com/